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Maria Calls

2月25日

日比谷から新宿に移動して 
いつもの安くて美味しい公公婆婆で食事。

ビル街を歩いていると

「あのさ、さっきから気になってたんだけど、
その ケープどしたの?
そんなん持ってなかったよね。
買ったの?
お金ないっていつも言ってるのに
自分の洋服は買ったの!?」

と矢継ぎ早に質問をする娘。
こういう問い詰め方する女って嫌われるよね。


「え?なんの事?」
「だから、今 着てる そのケープ!」

「………」
「買ったの?」






「あ!!!バスだ!!」

 

娘:「『あ、バスだ!』じゃない!!
ごまかすんじゃない」


私:「アーー!又バスだ!」


娘:「もう いいよ。ここいっくらでもバス来るから 
キリない。」

…勝った。

あ…日比谷から 映画を抜かして 新宿に来てしまった。

映画観たの 忘れてたよー。


映画はねぇ。

まぁ、実在の人物で しかも 超有名でドキュメンタリーだの
公演だの インタビューだのの映像がたんとある人の
映画は難しいよねぇ。

伝記だって100まで数えて あとやめた程ある

 

チケットは前もって買ってあったので ギリギリまで
お茶を飲んでいて、15分まえぐらいに シネ シャンテに行くと
もう、既にほぼ、満席状態。

初回は 全席 指定じゃなくて自由席なので
一番前から2番目に座るハメに。

すると娘が
「ねぇ、ママ、後ろ見てみ」

え?別にどーって事ないけど、なにか?

「おばさんばっか」

失礼だな、お前!
あたしだって、その仲間じゃないか。

うーーん、そう言えば
なんとなく、映画館というよりは
会場に集まった…

○○女学校同窓会 東京支部定期総会


みたいな感じ。

前にシネ・シャンテの事を書いてる人がいて
「銀座に近い 日比谷という土地柄かランチや 買い物ついでという
感じの年配の女性客が多く
映画の途中でトイレに立つ人が多数」と書いてあった。

…映画はじきに始まりましたが
場内が暗くなって予告編が始まっても
皆 喋る、喋る。

スクリーンなんか全然見てない。

私の頭の後ろでも
「主人がこのまえ、人間ドックにひっかかって」という話から
「指輪を失くした」と言う話とか「この後 どうする?
三越行く?プランタンにする?」とかいう話を テンデンバラバラに
お話になっておられました。

映画はですねぇ、イタリア映画ですが
オナシスが原油の輸送の相談にニューヨークだかに出向き
政府機関の人と交渉をしているのに
8カ国の言語を繰ると言われるオナシスと
アメリカ人が イタリア語で話しておりました。

まぁ、ハンニバルでは
イタリアの警察でイタリア人刑事同士が英語で話してたけど。

マリア カラスが一世を風靡した頃には
「マリア カラスの前にマリア カラスなし、
マリア カラスの後にマリア カラスなし」という感じで
オペラのアリアを聞きたいと思って
レコードを買っても、マリアカラス以外はないって感じでしたねー。

マリアカラス以外のソプラノが歌ってるのは駄目!みたいな。


私は「美空ひばりが歌が上手いと言われても良くわからん」と
同じように、マリア カラスがそれほど、凄いとは思っていませんでした。

凄いのは、アイラインだ…と思っていた。

私が 一番好きなのは、
これ、casta diva


歌手をDIVA ディーバー(女神)と呼ぶようになったのは
マリア カラスが最初なんだそうです。
今は、浜崎あゆみさんが DIVAと呼ばれているそうです。

世界的富豪 オナシスとの恋愛騒動も
オナシスが妻と離婚が成立し カラスと結婚か!と
マスコミが騒いだ時にも
「関係ない」と興味がありませんでした。

 

 

なんとオナシスは JFKの未亡人 ジャクリーヌと電撃結婚。

ケネディー家からまた大統領を出す為に
選挙資金を捻出する為のJFKの母親ローズの命令だったとも

「金の為にあんなヒキガエルの様な
下品な成金と結婚するなんてケネディーの家名に泥を塗るのか」と
ケネディー家の総反対を受けて
「お金の為にケネディー家を売るのは 私の勝手」
とジャクリーヌがつっぱねたとも 正反対の事が言われているのが
有名人。

 

そん時も、「別にいいじゃん、どーだって」と思っていました。

どういう訳だかジャクリーンが大嫌いだった私は
どういう人が知りもしない癖に
「あの女がやりそうな事だ。何の不思議もない」と思っていたフシがある。

「美空ひばりは歌が上手い」がわからんと同じ様に
世界中こぞって、
「ジャクリーンが美女」って言い立てるのがわからんかった私。

「美しい」とか「美しくない」とかいう事ではなく
いつでも美女と言われて ニヤニヤしてるのが気持ち悪かった。

ニヤニヤしてたんじゃなくて微笑んでたんかもしんないけど。

「なんか知らないけど、あたしって
殿方に綺麗に見えるらしーのよねぇ、うふふ。
なんでかしらぁ…。困っちゃうわぁ。うふふ。」
みたいなのが気持ち悪かったんだ。

美しい人が「そうよ、アタシは綺麗なんだよ。
文句ある?アンタの負け」っていうのは嫌じゃないの。

「うふふ」ってのが嫌なの。

 

容姿がどうのとか、全然関係ない場面でも「お美しい」とか言われて
ニヤニヤしてないで、
「いえ…そんな事 …ありません」とか言ってみろってんだ。

…と言ってやりたいよ。

「だったら、ファースト レディーになってみろ」とか言われたりして。

なりたくねーよ。

 

今、ジャクリーンの写真を探していたら
「この人が世間じゃ受けている」と聞いて
この人の真似をしていた…とか書いてる記事があった。
(ま、根も葉もない嘘かもしれませんが。)

 

 

 

無理です。

 

 

 

ジャクリーンとの結婚を
何も知らされていなかったというカラスをカメラマンが追い掛け回した時

カラスが静かに寂しそうにうつむいている映像を見ました。


「オナシスのばかやろう。ジャクリーヌなんて根性悪いに決まっている!」
と思いました。

決まってないよね。どんな人か知らないもん。

 

カラスはこれ以降 オペラの舞台から引退します。

 

その後 公の場に出たのが ワールド ツアー。

オペラではなく、ピアノ一台のリサイタル。

その東京公演をNHKのテレビで見ました。

声が出ていないと批評家には散々でしたが
私はお化粧もあまりしていない、穏やかな顔をした
この時のカラスを美しいと思いました。


前年から始まったワールド ツアーは1974年日本公演で終了しました。



この3年後1977年9月16日にカラスは パリの自宅で亡くなります。
53歳でした。

死因は 心臓発作とも、睡眠薬の飲みすぎとも言われています。

カラスの生涯 最後のリサイタルは日本でした。

オナシスはジャクリーン(映画ではJFKの義妹?わからん)
との結婚を 結婚後すぐに(映画では結婚前)後悔し
マリアに許しを請いに自宅を訪れますが
マリアは彼とは会わずに、立ち去るオナシスの姿を窓から見ていた
というのを、カラスが唯一人心を許して身の回りの世話をしていた人の
インタビューで見た事があります。


オナシスとジャクリーンとの結婚は7年間
2700万ドルという契約結婚だと
言われていますが その契約期間終了を待たずにオナシスは
離婚手続きに入りますが、成立前に死去します。

死の床についたオナシスはいつも赤いブランケットを
身近に置きたがったそうです。

それは、カラスが送った エルメスで買ったブランケットだったそうです。

最後にオナシスはマリアに
「あなただけを愛していた」と言ったそうですが
さんざん傷つけ 苦しめておいて
「何を今更」と こんな言葉 動物園のゴリラが
ウンコを投げるように 投げ返してやりたいですが
ま、そんなんは 一般主婦の感想でしょう。

マリアはそれで良かったのもしれません。
そうだといいです。

 

あれほど、オナシスとの結婚と歌手を引退しての
穏やかな暮らしを望んだマリアは
結婚できず、遺骨はギリシャ沿岸のエーゲ海に散骨されたそうです。

オナシスの妻になったジャクリーンは

オナシス亡きあと、恋人と暮らし
亡くなった後は オナシスと同じ墓所ではなく
アーリントン国立墓地の亡き夫 ケネディーの
隣りに埋葬されました。

ジャクリーン リー ブービエ ケネディー オナシス という名前で。

「まぁ よくも ぬけぬけと…」とか
「ま、どっちも、どっちか…」とか思った。

夫ケネディーの女性関係に苦しめられていたというジャクリーンは
夫の隣に眠り 幸せでしょうか。

他人からはわからないそれぞれの事情があったんだと思うけれど
皆、可哀想だったな…と思いました。

 

…と映画を観なくても 「女学校同窓会」の私達はですね、
こんぐらい知っている。

ま、全部 メディアの受け売りだから、
間違ってるかもしんないけど、知ってる。

という事で、映画が終わったと同時に
私の頭の後ろで


「え?終わり? そうなの?違うよねーー。
ねぇ、あそこのあの話、違うでしょうーー?
そうよね、変だと思ったわ。歌の口ぱくが合ってなかったよね」
の声がして私が言う手間が省けたのでした。

そんで、エンドロール(…って言うの?配役で出る字)が
出始めた所で、気の早い私達オバサンはゴソゴソと
帰り支度を始めて まだ暗い映画館をバラバラと帰るのでした。

これも、シネ シャンテ おばさん軍団の特徴だって、
書いてあった。

「映画の余韻が冷めるので やめて欲しい」って書いてあった。

そうだよねぇ。

ごめんねぇ。

私達、映画の余韻に浸ってしばらく立てないという事はなく
「あーー、終わった、終わった。
ね、早く行かないと、あそこのランチ 並ぶわよ」だから。

 


MARIA CALLAS

 


 

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