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KAYAMAMEAT
Diary
a la mer, de la mer, pour mon cheri
78

Wing
1月7日

何回も申し上げたくは、ないんですが、
ナンパというものをされた事が無い私が この前、
「あ、これって、なんぱ?」と思ったら、
なんと、電車を間違った私を哀れんだ、おじいさんの
お優しい、お声がけだった事は先日申し上げましたが
またです。
どうも、この頃、私はやけにおじいさんにモテル。
京急にはWINGというのが、あるらしいの。

……乗りたいじゃん。
っていうので、乗りました。
200円です。
乗車券の他に、着席券のようなものを200円で買って
ホームで待っていると、電車が来ました。

…こんなきれいな電車が来るの。

毎日は乗れませんが、時々なら乗りたい。

だって、こんなだよーー。ホントは、まいんち乗りたい。
あたし、もう、車掌さんに、なりたい。
席は自由なので、中ほどに入って座っていると、
空いている座席は沢山あるのに、
おじいさんが
「ここ、よろしいでしょうか?」と言いました。
「はい、どうぞ」
………
席に座るとすぐに、おじいさんは携帯でお電話しはじめました。
「私です。はい、今、いつものWINGに乗りました。
あ、ごはんは、いい。食べた。
え?うん、うん。大丈夫。
うん、うん。大丈夫だけど、一応頼んで見みます。
心配いりませんから、ダイジョブです。」
奥様にお電話なんだと思います。
そうしているうちに発車です。
見るともなく、外のビル群の、明かりを眺めていると
あの「失礼ですが、どちらまで行かれます?」
あ、この前と同じ。
困って、ドアの上の路線図を見ていて
「どこに行きたかったの?」と聞かれた時と。
だけど、今、品川出たばっかだよ。
まだ、間違ってないよ。
じゃ、これが、ホントのナンパ?
でも、お上品そうなおじいさんなのです。
「久里浜ですが…」
「そうですか…私は、金沢文庫なんです」
「そうですか…」
……なぁに?
ただの、世間話?
「あの……」
「はい」
やっぱ、なんぱ?
「寝とったら、起こして貰えんですか?」
なんだ…、さっき、キョロキョロしながら
座席を物色したあげく、いっくらでも、空いてる席を
飛び越して、私のお隣に座ったのは、そういうワケだったのか…。
「この人…起こしてくれそうかな」
「この人は、寝そうだから、ダメだな」とか。
「はい。お知らせしますね」
「すまんです。なるべく、頑張って起きてるようにします」
「私、起きていますから大丈夫です。お休み下さって。」
あーーー!!!
さっきの、奥様への電話の
「うん、うん、ダイジョブ、大丈夫だけど、
頼んで見るけれど…」
っていうのって
「あなた、寝ちゃうと困りますから。
また、この前みたいに、三崎口まで、行っちゃったら
困るんですから、誰かに起こしてくれるように
頼んでくださいよ。
200円で座れるって喜んでwing乗って
三崎口から、タクシーで帰ってこられたらたまりませんから。
女の人だったら起こしてくれますから。
若い子はダメですよ。
若い癖にWING乗ってる様な子は寝ますから。
おばさん、おばさんにするのよ。わかった?」
とか言われていたんだーー。
しつれーーねーー。
あたしの、どこを見て、おばさんだと判断したっつーーのよっ、じいさん!!
……全部か…。
ま、いいや、起こしてあげるからね。
このおじいさん。
「頑張って、なるべく起きとるようにします」と言ったんだけど
電車が走って、ちょっと揺れたら
麻酔打ったか…の様に、すぐに寝ましたね。

奥さん、アタリです。
あなたの、ご主人、寝ます。
全然、ダイジョブじゃありません。
……しかし、電車が駅に近づいて
車内のアナウンスが聞こえると
このおじいさん、びくっと起きました。
すげ…。
奥さん、やっぱ、大丈夫だったです。
自分で起きれるみたいです。
立ち上がって、網棚の荷物を取ると
きちんと、私の方に向き直って
「奥さん、ありがとうございました。お世話になりました」
と頭を下げました。
「いいえ。」
と、にっこり、笑おうかと思いましたが……。
「ちょっと!!!ちょっと!!!
金沢文庫まで、行かれるんじゃないんですか?
ここ、上大岡ですよ」
「ありがとうございました」
「そうじゃなくて、ここ、かみおおおか、なんですよ!!!
かーみーおおおかーー!!
おうちは、金沢文庫なんでしょ?」
「…そうです」
「だったら、お座りになって下さい」
「…はぁ?」
「ですから、お座りになって下さい」
「でも……早くしないと皆が…」
「あのね…、お荷物、私が預かりますから
座って下さい」
「はぁ…」
おじいさん、放心状態。
「あ!そうか!」みたいな反応無しのまんま
また、居眠りに突入。
奥さん、やっぱね、ダメなんだわね。
本当に、男っていくつになっても世話が焼けるのねーー。
…しかし、また、車内放送があると
びくっと起きました。
金沢文庫です。
「降りていいですか?」
「はい」
「どうもありがとうございました」
「いいえ。お気をつけて」
「はい、あなたも」
ま、こんな風でした。
なんか、本当におじいさんに縁があるんです。

今日は、友達が、従妹の結婚のお祝いを買いに行くのに付き合いました。
電車の中で
「あたし、この頃、やけにおじいさんにモテルのよ」と
話していました。
で、駅を降りて道を歩いていると、今、すれ違った
杖をついた、おじいさんが私を、追ってきます。
「あの、ちょっと、あのーーー。」
「はい?」
「メグミクリニックはどこですか?」
……そんな、私だって知らない。
「ちょっと、待って下さいね。だれかに聞いてみますから」と
あちらで、立ち話をしている奥さん二人組みに聞きました。
「あの、こっちじゃないんだそうです。
東口だそうです。」
「じゃ、ここ、どこですか?」
「うーーん、東口じゃないから、西口?」
「そうですか、西口ですか」
「…西口…かな。ここがどこだかわからないんですが、
駅まで戻って下さいね。
そこで、もう一度、駅の人に聞いてください。
ここで、お話するより、駅で聞いてもらった方がわかりますからね。 」
「はぁーー、そーーですか、駅で聞く方がいいですか」
で、歩いていると友達が
「…ほんとだ、あんた、じいさんにモテルわ。
あんなに、沢山、人が歩いているのに、どして、杖ついて、あんたを追いかけて聞く?」
「さぁ……?」
「あーーーー!!!わかったーー。
あんた、派手なんだよ。目立つんだよ。
だから、お年寄りの目に付きやすいんだよーー。
標識みたいなもんだよーー。
それ、モテてるんじゃないんだよ。あははは」
……やなヤツ。
あたし、今日、コイツの用事に付き合ってやってんのに。
電車賃使って。
別におじいさんにもてなくたって、哀しくないし…。
あたし、男の好み、スゲうるさいんだからね。
見た瞬間にぶっ倒れそうな、
いい男しか好きじゃないんだから。
負け惜しみなんかじゃ絶対にないんだからね。
……ばか。
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