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KAYAMAMEAT
Diary
a la mer, de la mer, pour mon cheri
59

11月13日
蕗

母は良く、蕗を茹でました。
大きな鍋で湯がいてからざるにあけて皮をシュ、シュっと
引くようにむいていました。
蕗というのは、茹でる時に、そりゃ凄い匂いがしますから
「ああ、今日のオカズは蕗か…」と
どこにいても自動的にわかる仕組みです。
おかずが蕗で「わーい、わーい!!」と喜ぶ子供ってあんまりいないと
思いますが、私も喜びませんでした。
いいや、納豆で食べよっと。納豆ある?
「ありません。」
「……、ごはんに、お味噌汁かけていい?」
「ダメに決まってる」
蕗をよけて、油揚げだけでごはん食べる私。
今、考えると、蕗が嫌いだったわけじゃないんですが
あの、茹でている時の匂いでやられてしまったというだけです。
もう、気分が「ごちそうさま」になってる。
私が子供の頃って、食べるものの事を、好きだ、嫌いだというのは
いけない…という事になっておりましたから、
(別に戦後の食糧難じゃないからね)
おかずの文句なんて言った日には…もう…
「食べないでいい」と言われるだけでした。
うちの母は、自分が全くお菓子を食べない人なので
子供のおやつというものも、
どういうものを 出したら、喜ぶかなんて言うのは
考えたこともない風でした。
…もっと言えば
「 おやつなんて食べなくたって死なない」と
思っていた風でもありました。
だから、学校から帰ってきてテーブルの上に用意してある
おやつは、
おせんべいか、ふかし芋か、そんな感じです。
夏は、とうもろこしだったりしました。
サツマイモの時は良かったですが、じゃがいもにバターだったり
すると、そりゃ、がっかりしたものです。
そういえば、やはり夏ですが、フキンをとると
トマトだった事がありました。
…どしてっ!トマトがおやつなんだよ!このやろう!と思いました。
大人になって、英語ではトマトがフルーツの分類だと言われて
(嘘かホントか知りません。)
「そっか、あの時、母が出したおやつはフルーツだったんだからいいのか…」とか
思ったりしましたが、英語ではトマトがケーキの分類だって
おやつには嫌ですわ。
洋菓子なんていうのは出たことがありません。
時々、サンドイッチのパンの耳を取って置いたものを
油で揚げて、お砂糖をつけたものを作ってくれましたが
これ、洋菓子?
それでも、時々誰かが下さるのか、パウンドケーキなんて
食べました。
私は、パウンドケーキの上に乗っている、赤いチェリーと緑のアンゼリカ
黒いプラムが好きでした。
ふきんを取ったら、ざるの上にある、じゃがいもと比べたら
こんな美しいおやつは、もう夢の世界でした。
…でも、その下の、パウンドケーキは嫌いでした。
一度、パウンドケーキ1本を横にして、上1センチ位だけ切って食べて
しこたま怒られた事があります。
私が食べたかったのは、フルーツの砂糖漬けなのよう。
…で、大人になってから、私が大好きだった、あの緑色のアンゼリカの正体が
蕗だと知った時には腰がぬける程、驚きました。
アメリカ人って、……凄い。
母が油揚げと一緒に醤油と砂糖で煮ていた蕗を
砂糖づけにして、ケーキの上に乗せようなんて、
どうして考えられるんだろう、と感激しました。
で、ですね、先日、蕗の水煮を貰いました。
母にやったら、そりゃ、喜びますが、緑が余りにもきれいだったので
アンゼリカって、自分でも作れるか?と思いました。
アンゼリカなんていうものは、製菓材料の売り場で買うもので
作ろうなんて考えた事もありませんでしたが…。
オレンジピールは良く作りますから、 じゃ、同じやり方でやってみましょう。
砂糖の濃度をだんだん濃くして5日かけて、漬け込みます。
はい、これ、3日目です。

す、すごい。これ、アンゼリカじゃん。
砂糖液に漬け込まれて、透き通ってきています。
食べてみたけれど、アンゼリカ……当たり前か。
これから、壜の中の砂糖水だけ鍋に開けて、それにまた、砂糖を200g足して
沸騰させ、それを壜に戻します。
簡単でしょ?
クリスマスに焼くフルーツケーキのために、くるみ チェリー レーズン
アンゼリカなどを ブランデーに漬け込みますが、
今年は、このアンゼリカで作ります。
(「ティファニーで朝食を」と同じで、名作と言われるディケンズ(だっけ?)の
「クリスマス・キャロル」というお話が、私、何回読んでも理解できんのですが
あれに、出てくる、ブランデーだか垂らして火をつける
クリスマス プディングって、このフルーツケーキの事ですか?違う?
なんで、プリンに火をつけるのか、わかんなかったんですが…。
ケーキ教室でこれを習ったときに、クリスマスに火をつけるとか言われたような
気がする。
「…何のために?」と思ったけど、聞けない雰囲気だったような気がする)

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